こんにちは、Kパパです。
本日は米国ETFを円建てで買った失敗談についての話です。
みなさんも一度は米国株やETFを円建てで購入するかドル建てで購入するか迷ったことがあるのではないでしょうか?そして…なんとなくの円建て決済していませんか??
そういう方はもしかしたら為替で損をしているかもしれません。気になった方はぜひご覧いただければと思います。
なお、為替による損失は一度に購入する口数が多いほど損失額が大きくなります。
そして、なぜこのような損失が生まれるのでしょうか。
これには「約定時の為替レート」が決まるタイミングが大きく影響しています。約定時のレートとは取引が成立した時の為替レートです。
米国株やETFを購入する際に表示される為替レートは参考レートと呼ばれ、購入金額を算出するための仮の為替レートです。
実際に適用される為替レートではありません。この違いが為替による損失を発生させます。
この記事では為替レートに関するルールをおさらいし、為替での損失を極力少なくすることについて話します。ぜひご一読いただいて、明日から損失少なく米国株に投資していきましょう!
ドル建てで買えば良かった!円建て購入による失敗体験…
これは私の失敗例です。これがあったのでこの記事を書きました。また、以下の記事を読んでいただくにあたり用語をまとめました。
- VOO(ぶいおーおー)
バンガード社の商品で, アメリカの最強指数S&P500に投資するETF. 短期ではマイナスになることもあるけど、長期でみると200年間上がり続けている化物指数.私も恩恵を受けてます。 - 安値(やすね)
ドルから見て交換できる円が最も安くなる為替レート - 終値(おわりね)
その日最後の為替レート - 高値(たかね)
ドルから見て交換できる円が最も高くなる為替レート - 為替スプレッド
円をドルに交換する際の手数料
まず、2021年7月19日から2021年7月20日のVOOの価格の変動と為替の変動を見てみましょう。
7月19日は、安値が 1ドル=109.05円で終値が1ドル=109.44円でした。7月20日は高値が1ドル=109.95円で終値は1ドル=109.84円でした。7月19日は米国株が大幅安となっており, VOOも400ドルから390ドルまで値を下げました。なお株の大幅安の原因は、主に米国でのコロナの感染急拡大によるもので、ドルが売られ円高になりました。
7月19日の午後にVOOを買う少し前に、住信SBIネット銀行でドル円の為替レートをみたら為替スプレッド込みで 1ドル=109.45円でした。なるほどと思い、そのままSBI証券で VOO を4000ドルほど購入しました。このときはSBI証券の円建て決済で、約定レートがどのように決まるか分かっていませんでした。約定レートは 後述しますが 翌営業日10:00の為替レートです。
今回の取引の約定レートは 1ドル=110.2円でした(泣)
ここで、7月19日のお昼にドルを買っていた場合と比較すると、7月19日1ドルあたり 110.2 – 109.45 = 0.75ドル の損失です。
今回、4000ドルほど買いましたので、4000 × 0.75 = 3,000円ほど損失です。
あまり大きな出費ではないですが、積み重なると馬鹿にできません。
最適な為替で取引することは不可能ですが、為替による損失をできるかぎり減らしていくことは必ず資産形成のプラスになります。
以下では、為替レートの説明から、証券会社ごとの為替レートの決定ルール、リアルタイムの為替レートでドルを買う方法、円高になりうる相場等についてを解説していきます。
為替レートとは?
皆さんご存知のとおり、日本と海外通貨との交換比率のことです。
1ドル=110円というやつです。円建てで米国株を買う場合、証券会社で証券会社が提示する為替レートをもとに円をドルに変換し、米国株を購入します。
そして、証券会社が提示する為替レートは各証券会社が定めたルールに基づき決定されます。
ここで重要なことは皆さんも気づいているとおり「証券会社が定めたルール」という部分です。
円建てで米商品を購入する時にこのルールを知らないで購入すると損失が発生する可能性があります。
証券会社が提示する為替レートはどのように決まるの?
米国株やETFを購入する際に証券会社が提示する為替レートは以下の2種類があります。
概算為替レート(参考為替レート)
米国株やETFを購入する際に証券会社が提示する仮のレート。約定レート確定後、その差額は買付余力に戻される。
約定為替レート
実際の支払いとなるレート。概ね米国株やETF購入日の翌営業日午前10:00頃に各証券会社が提示するレート。インターバンクレート(ここでは説明しません)を参考に各社で決定するレート
実際に支払う為替レートは一般的に以下の式で決まります。
実際に支払う為替レート = 約定為替レート + 各証券会社が取り決めた為替スプレッド
為替スプレッドとは各証券会社に円をドルに交換してもらう際に支払う手数料手です。
約定為替レートと為替スプレッドが支払い為替レートの正体です。
各証券会社ではどのようにこれらを決めているのでしょうか。以下、3つの証券会社の場合を記載します。
- 約定為替レート
現地約定日の翌国内営業日の10:00のレート - 為替スプレッド
0.25円
- 約定為替レート
現地約定日の翌国内営業日の10:00頃のレート - 為替スプレッド
0.25円
- 約定為替レート
翌営業日の為替レート - 為替スプレッド
0円!
ここまで見てきたように実際に支払う為替レートは購入日の翌日のレートを使用しますので、購入時に適用されるレートとは別物になります。ここを意識しないと為替での損失を予想以上にかかえることになります。
では、現在時の為替レートでドルを購入する方法は??となりますよね。次節で説明します。
リアルタイムの為替レートでドルを購入する方法は?
SBI証券と楽天証券を利用する場合について比較します。
SBI証券の場合
リアルタイムのレートでドルを買う際、SBI証券ではリアルタイムでの為替取引ができないため、住信SBIネット銀行を利用します。
普通預金口座開設を持っている方であれば、外貨預金口座も簡単に開設できます。なお、普通口座を持っていない方も以下のページから開設することができます。
ただ、リアルタイムの為替レートでドルを購入する場合、住信SBIネット銀行では為替スプレッドが0.4円になります。
SBI証券をメインに使っている場合、SBI証券での外貨の入金は住信SBIネット銀行に限定されるため、外貨を他の銀行や証券会社で購入した場合は、あらかじめ住信SBIネット銀行を出金先に指定する必要があります。
楽天証券の場合
SBI証券と違い 8:00 から 16:00 の間でリアルタイム取引が可能です。しかも為替スプレッドが0.25円と住信SBIネット銀行より0.15円安いです。ただし、受渡日が翌営業日となることに注意。住信SBIネット銀行は即時受け渡しです。
まとめ
金融機関名 | 為替 スプレッド | 約定日 | 受渡日 |
SBIネット銀行 | 0.4円 | 24時間 いつでも即時 | 即時 |
楽天証券 | 0.25円 | ・8:00から16:00 即時 ・16:00から翌5:00 翌営業日 | ・8:00から16:00 約定日の2営業日後 ・16:00から翌5:00 約定日の翌営業日 |
ドルを買いたくなる円高相場とは
米国株やETFを購入されている方は、為替で損を生じさせないために円高のときに円をドルを交換しておく必要があります。この節では、円高になりうる相場2例を紹介します。
VOOの価格が急落相場
VOOの価格が急落、例えば現在の基準価格から1.5% – 2% 近い下落があったときはリアルタイムでドルを購入することを強くおすすめします。
VOO の指数である S&P500 は現在のアメリカの景気の回復を牽引している GAFAM が時価総額の25% を占めます。そのため、VOOの基準価格が急落している相場では GAFAM の景気ひいてはアメリカの景気が疑われており、円高の様相が強くなりやすいです。
このときはリアルタイムで円をドルに交換し、ETFを買い増します。
米国10年債の利回り低下と日本10年債の利回り上昇
債権市場からの影響もあります。以下、モーサタやbloombergでも言われていました。あまりみないパターンです。さきほどの例と違い、米株価は上昇している一方で、円高も同居するパターンで、決算期の時に注意したい動きです。
円高の感覚を磨くには
当然のことながら、円高はこれらの場合のみと言うわけではありません。
だからこそ、ほんとうに円高相場がやってきているか認識するには、日々自分の感覚を鍛えておく必要があります。最低限毎日通勤中の10分で構いませんので以下をやってみてください。
・Bloomberg(日本語サイトでかまいません) の相場に関する記事を見て、まとめをツイート
私はニュースが更新されない土日以外は毎日これをやるようにしています。
米国を含めた世界で起きていること、経済指数や為替の状況にふれることで、為替が安いか高いか、円高相場かどうかの判断能力も磨かれますのでぜひやってみてください。
またBloomberg記事内のわからない単語は必ずGoogleで検索してください。知識にも繋がりますのでおすすめです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
為替のみで大きく損をすることはありませんが、為替を意識することで、為替による損失を回避できてかつ為替による得も手にすることができます。
特に今後は円高が進行していくと思っていますので、できる限り円高でドルを掴んでいくことが投資でコツコツ設けるコツの1つかと思いました。
最後に本記事のまとめを掲載します。
- 約定時のレートを意識しておらず、ETF購入時の為替と約定時の為替の差分で損失を出すKパパ。今回の記事はその反省。
- 証券会社の為替がどのように決まるかを解説
- リアルタイムの為替でのドルの取得方法を解説
- 円高になりそうな兆候を解説
- VOO の値下がりが1.5% 〜 2.0% になったら注意
- 決算期に注意。米ドル10年債利回り低下と日本10年債利回り上昇に注意
- 円高の兆候をとらえるため、日々10分の勉強をしよう!
- Bloomberg(日本語記事)を読んで、まとめをツイートがおすすめ!
- Kパパもやっていますので、フォローいただけますと励みになります!
皆様の投資ライフに少しでも貢献できれば幸いです。今後もこのような失敗談を交えて学んだ記事を書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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